香りと味と形を守る銀紙に包まれたチョコレートの歴史は、古代メキシコでスパイスを効かせた飲み物としてはじまった。ヨーロッパに伝わると砂糖が加えられ、カカオが育つ高温多湿地域と異なる環境による化学変化を生かしながら、チョコレートをめぐる発明が次々起こる。なかでも固形チョコレートの誕生こそ画期的だった。数々の知恵の賜物が私たちの口の中で甘くとろける。魅惑的な歴史は今も続く。